就職・転職のための自己分析|分析するときの注意点

就職・転職のための自己分析|分析するときの注意点

自己分析の方法がわからない

転職したいと思って、本を買いました。
読んでみると、何やら難しいやり方がたくさん書いていました。その本を読んでも、実際にどうすればいいのかよく分かりません。

私は心理分析そのものに興味はありません。就職・転職に必要な範囲で、自己分析のやり方を知りたいのです。

こういう相談をよく受けます。そこで就職・転職のための自己分析を実行する要領を紹介します

可視化しよう

風呂で湯につかりながら「自分って何なんだろう」と考えても、自己分析はできません。
机の前に座って、頭の中だけで考えても、それは単なる「妄想」です。
可視化しなければいけません。

最も一般的で使いやすい方法は「表」にすることです。

マインドマップで表示するのも悪くありません。しかしマインドマップの表示方法自体に戸惑うかもしれません。

 

やはり「表」を使うようお勧めします。

本を買ってくるとチェック項目付きの「表シート」がついていたりします。
また ネットで無料でダウンロードできるところもあります。
そのような表シートを使うのをおすすめします。

本を買うとき、就職する人は就職に合致した本を選んでください。
転職目的な人は、その目的に合致した本を選びましょう。
そうすれば添付しているシートの項目も、その目的に合ったものになっています。

分析するときの要領

要領1 客観的裏付けが必要

「立案・計画・実行能力」関係の項目があったとします。自分にはその能力があると判断したら、その通り書きましょう。

この時、そう思った「客観的裏付け」も書いてください。
単に「私はそう思う」では誰にも伝わりません。客観的裏付けがなければ、それは「私はそういう人になりたい」という「希望」を書いただけのことです。
裏付けがあって初めて「客観的な自分」が浮かび上がってきます。

例えば、「立案・計画・実行能力がある」とアピールするために、裏付けとして「前会社で新商品のパッケージを作成するチームリーダーをしたことがある。新しいパッケージの方法を考え出してそれで特許を取った」という事実をあげるのも良いでしょう。

あるいは「中学生の頃、夏休みに自転車で関西一周計画をたて、やり通した経験がある」でも良いでしょう。
「途中で生じた困難をどうやって乗り越えたか」もあげておきましょう。

書く欄が小さければ、自分がわかる程度のメモでいいです。

付属のチェックシートが、表のような形式ではなく、単に質問だけが書かれているものなら、ノートにどんどん書いていきましょう。

この時、思い出したまま書くのではなく、「何を裏付けるための根拠を書こうとしているのか」も意識してください。
関係ないことは書かないことです。

 

要領2 ネガティブになりすぎてはいけない

謙虚なのは良いのですが、謙虚すぎるのはよくありません。

ここでは自分を客観的に見つめ直そうとしています。書き出す時点で「私ってそんなによくないよ」などという気持ちは必要ありません。

イメージ的には「幽体離脱して、今までの自分を右後ろからじっと観察していた」という感じでやります。
第三者の視点で観察するわけです。

そうすれば「おこがましい」とか「私はもっとすごいのだ」とか思わなくなります。
過大評価。過小評価を避ける一つの方法です。

 

要領3 「スキル」を挙げる場合

「○○が得意です」だけではいけません。事実に語らせましょう。

例えば「管理能力がある」と自分で思ったら、それを示す実例を挙げましょう。

「中学時代に生徒会長をやった」でも良いのです。

「前の会社で、7人編成のチームリーダーを引き継いだことがあります。引き継いだ時はチーム間の雰囲気が最悪でした。そのため成果が上がらなかったのです。それを3ヶ月で、一体感があるチームにしました。成果もあげました。その結果、社内で表彰を受けました」

こういう事実を示しましょう。嘘はいけません。自己分析するのに嘘を書いても意味がありません。

「管理能力があります」で終わってはいけません。

また資格があれば根拠としては、一発で OK です。資格の威力はすごいです。
もちろん自己分析する時には資格の裏付けとなる「実務経験」も書いておきましょう。

要領4 テーマは「就職・転職に関するもの」にします

自己分析といっても、一般的な心理分析とか性格分析をしているのではありません。
あくまでも就職・転職のための自己分析なのです。

「会社が欲しがっている情報」に合わせた分析が必要です。
「粘り強い性格」とか「明るい性格」とかいう情報も、会社は求めてはいるでしょう。

しかしそういうのは、会社の求めている「この人は即戦力になるか」のような、「より直接的な事柄」に比べれば、優先順位はずっと後になります。常に、会社の求めているものは何かを意識して考えてください。

ただし、時間が十分にあって、しかも自己分析に興味があるのなら、幼少期からの事柄を分析項目に入れてもいいでしょう。就職・転職に関係ないこともチェック項目に加えても良いと思います。

しかし、あまりそれに力を注ぐと「自己分析遊び」になってしまいます。

今はそんな余裕はないはずです

要領5 将来性

1年後、3年後、10年後ぐらいをイメージしてみましょう。
特に1年後は「相当細かく分析」しておきましょう。

10年後は「軽く」でいいです。
10年後を深く細かく分析しようとすれば、どうしても「妄想の世界」に入り込みます。
10年後の状況が不確定だからです。

今は「夢の世界」で遊んでいる時ではありません。

要領6 弱点と思えることも「視点を変えて」評価してみよう

弱点と思ったら、それは思った通り弱点として書いておきます。
その後、何回も自己分析を繰り返す中で、弱点と思っていたことを「視点を変えて」評価し直しましょう。

視点を変えるのはなかなか難しいですが、やっているうちに慣れてきます。
ヒントになる考え方として「水平思考」を挙げておきます。

まとめ

まだまだ色々な分析要領があります。ここに挙げたことを実行するだけでも、かなり正しい自己分析ができます。自己分析はあくまでも「客観的な自分を知る」ことに狙いがあります。もちろん就職・転職に関する客観的自己です。

それを知ることで就職・転職で軸のブレがなくなります。
ここに書いたことはそのための要領
です。