企業が志望動機を尋ねる理由

企業が志望動機を尋ねる理由

「長期間働いてくれるか」を知りたい

なぜ長期で働く人を求めるのか

企業が雇用する時には、一人当たりかなりの費用がかかります。雇用した後でもその人を教育する必要があります。お金はもちろん人手もかかります。
それだけ企業が努力したのに簡単にやめられたのでは、企業としてはたまりません。
再び雇用するのに、求人コストなど同じだけの費用がかかります。企業が「長期で働いてくれるか」と尋ねるのも当たり前のことです。

そこで企業としては「長期間働いてくれますか」と単刀直入に質問したいところです。
しかし答える方は「はい!」と言うに決まっています。おそらく答える方も、その時は本気でそう思っているのでしょうから。

「本当に長期で働いてくれる人」を雇用したい企業は、質問を変えることにしました

具体的に判断するための質問の仕方

数多くの業者があるなかで、「なぜ我が社を選んだのですか」
この質問で多くのことがわかります

応募者のニーズと我が社のニーズに「合理的関連性」があるかを質問します。

担当者は、「ニーズが合致していない場合、長く居着かない」と知っています。
例えていうなら、お腹が痛いと言っているのに頭痛の薬をもらうようなものです。ズレていれば、長くいるはずがありません。

関連性について、「かなり深くまで」尋ねてきます。

「この会社こそ最適だ」と思うには、その会社のことを徹底的に調べる必要があります。
会社のホームページを一回ちらっと見ただけでは分かりません。徹底的に調べている人なら「本気で当社に入りたい人」と判断してよいでしょう。
「ついでにこの会社も受けてみよう」という人は、表面的なことしか調べないです。
つまり熱意の有無が判断できるのです。当然熱意のある人の方が長く会社に勤めてくれるはずです。

志望動機が「他社でも通用するもの」なのに、どうして我が社に?

志望動機が他社にも通用するのなら、何も我が社に来なくても良いわけです。
何となく我が社に決めたのなら、何かあったら、他社に気が向くことは、容易に想像できます

「内定辞退の恐れがないか」についてのチェックも兼ねる。

我が社への熱意が薄いと内定辞退される可能性があります。そうなるのは困ります。特に入社直前に内定辞退されたのでは、たまりません。

こういう理由で企業は志望動機を深く質問してくるのです

 

応募者が「自社のメリットになるか」を聞こうとします

自分のスキルを明確に分かっているか

志望動機書の中に当然十分にスキルが書かれるはずです。「そのスキルを使って応募先の会社にどんなメリットを与えられるのか」も書かれるはずです。
本人が自分のスキルをはっきり分かっていなければ、我が社の即戦力にはならないと判断できます。自分のことも客観的に掴んでない人が、新しい職場ですぐに力を発揮できるはずがありません。

仲間とうまくやっていけるか

協調性も会社にメリットを与えられるかの重要な要素です。
仕事は、単独でやるものは少なく、仲間との協力のもとに仕上がっていきます。この時仲間と強調できないようでは、仕事のブレーキにもなります。メリットどころか”超マイナス”になります。

志望動機の書き方

数ある会社の中から他社ではなく当社を選んだ理由を「正面から」書く

「書いていること全体から、雰囲気を読み取ってほしい」ではいけません
こういう志望動機書が非常に多いです。
面接とは違って、面接官が質問してくれませんから、「質問の中で、明確にしていく」ということはできません。いはば「一発勝負」なのです。

箇条書きにできるぐらいに明確に書くこと。
特に「貴社の特色と自分の売りとの合理的関連性」「正面から」書くことが大切です。

これを文章にするには、相当に会社のことを熟知しないとできません。
自分のことを客観的に知っていることも必要になります

具体的に書くこと

担当者に「この人は駄目だな」と思わせないためには、具体的に書くことです。
例えば、「御社の経営方針に共感しました」ではだめです。「共感しました」
で終わっているのがまずいのです。「どう共感したのか」を書かないといけません。

書き方の一つのパターンとして次のことをハッキリさせてください

次の質問に大きな声で簡潔に答えることができますか?


1、なぜ転職しようと思ったのか

2、「転職の悩み・理由を 我が社なら解決できる」と考えた根拠を、我が社の特色と絡めて説明してください。

これにすっきりと答えられないを人が非常に多いです。
答えたとしても抽象的すぎて「何も言ってないのと同じ」ということもあります。
スキルを書くとき、「どんなスキルなのか」を具体的に書くことが大切です。

 NG な志望動機書

ネットや就活本の「例文通り」書く( NG)

 担当者はネット・就活本は大体読んでいます。しかも例文なのでどうしても「具体性に欠けます」。
大切なことは例文の奥にある発想やテクニックを知り、それを自分の今回の転職事例に応用して書くことです。

  抽象的な表現で逃げる (NG)

 「貴社の経営理念に共感しました」では駄目です。
もっと具体的に書いてください。

特に「共感した客観的証拠を出す」ようにしてください。

自分の都合を前面に出す(NG)

 自分の都合を強調しすぎるのは好ましくないです。
育児中の母親(父親)なら、ある程度、自分の都合を前面に出す必要があるでしょう。

例えば

★家が近いから

★貴社の仕事ができれば、新しいことを学べる。私がスキルを磨くチャンスだから
※こういうことを聞いたら、
会社は「お前のスキルを磨かせるために給料を払うわけではない」と思うでしょう。

★福利厚生が整っているから

まとめ

志望動機を書くのは本当に手間がかかります。
一つ一つの会社について調べ考えねばならないからです。
「一つの志望動機書を使いまわす」わけにはいきません。
しかも適当に表面的な言葉で飾っても、担当者はすぐに見抜きます。

各会社ごとに、「腹の底から納得するまで調べること・考え抜くこと」が重要です。

時間も手間もかかります。訪問するすべての会社について、そこまではできません。
当然、本気でその会社で働きたいと考えてる場合だけ、そこまですることになります。
会社はそこを見ています。